近年では、近隣トラブルに端を発する物騒なニュースを耳にすることもしばしばです。
最悪の場合、それは“殺人事件”というケースには発展してしまう場合まであります。
近隣トラブルは、新聞やテレビの中の他人事では決してありません。
いつ自分の身に降りかかってくるかもわからない、非常に身近、日常と背中合わせのところにあるものです。
では、近隣トラブルを起こさない、巻き込まれないために講じることができる予防策はあるのでしょうか?
もし、巻き込まれてしまった場合、当事者になってしまった場合の平和的な解決方法は?
近隣トラブルに悩んだ時、相談できる機関や団体はあるのでしょうか?
近隣トラブルは、災厄のケースになる前に必ず解決させておく必要があります。
実は近隣トラブルは、誰でも実践できる対策方法を知っているだけで、既に近隣トラブルで悩まされている場合でも簡単に解決させることができるのです。
また、最近の近隣トラブルその傾向を熟知し、周囲へのマナーを欠かさない心がけや、ちょっとした予防だけで回避することができます。
当ページでは、このような近隣トラブルの解決策として有効な15の方法をご紹介していきます。是非、参考にしてください。
目次
近隣トラブルの主な原因
最近のアンケート調査によると、「近隣トラブルに遭遇したことがある」と回答した人は、全体の過半数を占めるほどでした。
中でも、1騒音は近隣トラブルの原因として半数の人が挙げていました。
騒音トラブルは、ライフスタイルが多様化したことにより、一昔前よりもさらにナイーブな問題になっていることが考えられます。
昼夜逆転している人にとって、通常のサイクルで生活している家庭の生活音が耳障りになることもあるでしょう。
逆に、夜中にゴソゴソと動き回ったり、テレビやゲームの音漏れをさせていれば不快に思う人も当然います。
マンションなどの集合住宅の通路で、時間を問わず大声を出せば、他の部屋で暮らす人に迷惑になることもあるはずです。
この様に、自分の出す音が周りで暮らす人にとってどんな影響を与えるか、今一度見直してみる必要があるでしょう。
音のみならず、各種マナーについても同様のことが言えます。自分が嫌だと感じることを相手にもしない。
当たり前のことですが、それこそが近隣トラブル回避への最短ルートであることは間違いありません。
近隣トラブルの解決方法15選
近隣トラブルの火種は、ありふれた日常に潜んでいます。
自分が被害者である場合は、深刻化する前に問題を当の本人にいかにうまく伝えることができるかが重要となります。
逆に自分が知らず知らずに加害者になってしまうこともあるでしょう。
この場合も、指摘されたとき真摯に問題と向き合い、お互いによく話し合って有益な解決策を導き出す必要があります。
いずれの場合も、言い方が肝心です。
言葉一つ間違えれば、トラブルの火種にさらに油を注ぐ結果になってしまいます。
時には、第三者を通した方が事態がスムーズに流れていくということもあるのです。
ここからはさっそく、近隣トラブルの解決方法について詳しく見ていきましょう。
物件選びの際に下調べ
騒音トラブルや、マナー違反に関するトラブルの多くは、マンションのような集合住宅で発生しがちです。
物件選びの際に、防音に優れた構造であるか、管理人がいる物件であるかなどしっかりと下調べをしておくことも大切です。
また、新築戸建てを建築する場合も、建築前にきちんと近隣住民に挨拶をしておくことでその後のトラブルを防ぐこともできます。
引っ越し後の挨拶をする
引っ越しを終えたら、せめて両隣のお宅へは、タオルなどの粗品を持ってご挨拶に伺っておきましょう。
近所にどのような方が暮らしているのかを知るきっかけともなりますし、相手へ良い第一印象を植え付けることもできます。
どちらにせよ、いざトラブルが起きた時も近隣の協力体制が異なってきますので、ここもきちんとしておくようにしてください。
近隣住民とのコミュニケーションを取る
近隣の方すべてと仲良くするのは、実際難しいものがあります。
また、現代の風潮を見ても、ご近所付き合いに重きを置く方は少なくなっています。
しかし、最低限のコミュニケーションとして、すれ違ったら挨拶をする程度のことは心がけておきましょう。
顔見知りであれば、トラブルが起きた時でも無駄に角が立たず、スムーズに解決することができるかもしれません。
マナーをきちんと守る
自分が被害を受ける側であることもありますが、自分が被害を与えている側になることも大いにあり得ます。
ゴミ出しや、音漏れ、タバコ、ペット、など最低限のマナーを守り、自分を含め皆が住みやすい環境を作り維持していくことが、近隣トラブルを避ける近道です。
当事者同士で話し合いをする
いざトラブルが起きてしまったら、その度合いにもよりますが、冷静な話し合いの場を持ちましょう。
トラブルの原因には、互いの誤解や過剰な反応といったことも考えられます。
この場合は、話し合うことでお互いの理解を深め合い、友好関係を築くこともできます。
仮に冷静な話し合いが困難なほどにヒートアップしている場合は、第三者に間に入ってもらうようにしてください。
手紙で問題点を伝える
相手と生活リズムが合わず、話し合いの場を設けることが難しい場合や、日頃から接点が希薄で突然話し合いに持ち込むのが困難な場合もあります。
そんな時は、手紙で問題点を相手に伝えてから、事を進めていくのがスムーズでしょう。
書き出すことで、問題点を見直すこともできますし、一度冷静に考えることもできます。
自治会に相談する
自分だけが被害に遭っているわけではないこともあります。
ゴミ出しマナーの違反や、騒音、駐車場の使い方といったトラブルの場合は、地域全体で問題視されていることも多いでしょう。
その場合は1対1で話し合うよりも、地域の代表である自治会に相談し、地域として問題解決に乗り出してもらうのが効果的です。
日頃から、町内会活動などに積極的に参加しておくと、いざと言う時の自治会の協力も得やすくなりますね。
管理会社に相談する
マンション、アパートでの近隣トラブルの場合は、住民同士の直接摩擦を避けた方が良いケースもあります。
まずは、管理会社や家主に相談し、間に入ってもらうようにしましょう。
管理会社が間に入ることで、トラブルを訴え出た人がわからないように配慮して、当人に指摘してくれますので、より平和的に解決することができます。
看板で被害を訴える
こちらも、地域全体で問題視されるようなトラブルの場合に有効な手段です。
特に、騒音や異臭、ゴミ捨てマナーのトラブルに関しては、迷惑と感じている人が大勢いるのだという事実を明確に突きつけることができます。
地域として問題解決に乗り出した姿勢をうかがい知ることで、騒音や異臭、マナー違反がなくなる可能性は高いです。
防音具を取り付けてみる
個人レベルでの騒音問題の場合は、自宅に防音具を取り付けるなどの措置をすることで、被害を緩和することもできます。
相手が言っても聞いてくれない場合や、嫌がらせレベルになってしまっている場合は、自らが変わることも時には必要です。
壁の厚みが不足する、窓ガラス部分に二重サッシやうち窓を取り付けることで、騒音を遮断することができますので、被害が深刻化している場合は他の対策と並行して検討してみてください。
防犯具を取り付けて警戒姿勢を見せる
嫌がらせの類の近隣トラブルには、警告の意味を兼ねて、赤色灯やブザー、防犯カメラといった防犯具を取り付けるのも効果的です。
その警戒姿勢は、相手の警戒心を誘い、威嚇の効果もありますので、自然と被害がなくなる可能性があります。
また、何もしないよりも心強いというのも大きな要素です。
警察に相談する
近隣トラブルから、傷害事件や殺人事件といった刑事事件に発展するケースも増えていることから、警察としてもその対応に真摯になっているようです。
ただし残念ながら、実際に被害を受けてからでないと、警察を動かすことはできません。
嫌がらせのような明らかな行為を受けた場合は、生活安全課などに一度相談として持ち込んでみてください。
嫌がらせトラブルの証拠を押さえる
嫌がらせによる近隣トラブルほど厄介なものはありません。
この場合は、特に先に述べているような刑事事件に発展しかねませんので、早めに決定的な証拠を押さえましょう。
証拠があれば警察も動きます。
面倒と感じるかもしれませんが、時には張り込みをして写真を撮るくらいの体制を取りましょう。
費用は掛かりますが、防犯カメラの設置は、嫌がらせの抑止効果も高いとされています。
民事調停で審理してもらう
第三者に調停機関を選ぶことで、近隣トラブルを民事調停で審理してもらうことができます。
裁判とは異なり、勝ち負けを決めるものではなく、あくまでも和解へ向けた話し合いを公的な第三者をおいて行う形です。
弁護士の必要もなく、基本的には一度の審理で終えることができますので、早期解決を望む場合には有効な手段です。
きっかけが自身に無いか再確認する
近隣トラブルの本質が嫌がらせである場合は特に、何故そのようなことをされるのか、そのきっかけを考え直してみてください。
物凄く些細なことがそれであることもあります。
きっかけとなった事柄を解決することが、トラブル解消につながることもあるので、これまでの間に相手と交わした言葉や、態度について振り返ってみることも大切です。
近隣トラブルを予防に必要なこと
近隣トラブルを予防するには、日頃から挨拶はもちろんですが、ご近所同士の些細なコミュニケーションを大切にしておくことが重要です。
また、いざと言う時頼りになる、自治会や町内会、管理会社や家主との関わりも重要です。
そして何より、自分自身がトラブルの原因とならないよう、最低限のマナーを守り周囲と円滑な関係性を築いておけるようにしてください。
厄介な近隣トラブルに発展したり、些細なことから刑事事件に巻き込まれないためにも、トラブルの芽になりそうなことは、初期段階で摘んでおきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
近隣トラブルの深刻化は、近年の社会問題としても大きく取り上げられています。
個人レベルで大事になっていってしまうもの、地域レベルで戦わねばならないもの、などトラブルの形も様々です。
いずれの場合も、些細なことがきっかけであったりします。
また、問題解決に勇み足になり、こじらせてしまったというケースも…
当ページでは近隣トラブルの解決方法を次のようにご紹介させていただきました。
いずれも、トラブルからトラブルを生み出さないためには押さえておきたい方法ですので、再度見直していきましょう。
- 物件選びの段階から下調べをしておく
- 引っ越しを終えたら、近隣に挨拶をする
- 近隣住民とのコミュニケーションを取る
- マナーをきちんと守る
- 当事者同士で話し合いをする
- 手紙で問題点を伝える
- 自治会に相談する
- 管理会社に相談する
- 看板で被害を訴える
- 防音具を取り付けてみる
- 防犯具を取り付けて警戒姿勢を見せる
- 警察に相談する
- 嫌がらせトラブルの場合は、証拠を押さえる
- 民事調停で審議してもらう
- きっかけが自身に無いか再確認する
相手の身になって考えることも、時には必要です。
何故、騒音がするのか、なぜ異臭がするのか、何故その問題が起きているのかについて、向き合い冷静に問題解決に乗り出すことが、トラブルを悪化させないためには大切です。
反面教師ではありませんが、時には自分自身の生活習慣について見直してみるということも、近隣トラブルの対策及び予防の一つとして、必要といえるでしょう。