なぜ、人は自分自身を傷つけてしまうのでしょうか。この心の闇は、本人でなければわからないくらい深いものです。
あなたの周りに自傷行為を繰り返す人、いませんか?
今、自分自身で自傷行為をしようと思っていませんか?
自傷行為をやめたいと思ってもやめられないでいませんか?
今一度、考え直すために、ひと呼吸してみましょう。必ずや、自傷行為という泥沼状態から抜け出せる方法があります。
当ページでは、自傷行為を絶対に防止できる方法10選について詳しくご紹介しています。
自傷行為がやめられない、あるいは周りにそういう人がいるという方はぜひ、参考にしてください。
自傷行為とは
自傷行為というと「リストカット」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
自傷行為は、髪の毛を抜く、爪から血が出るまで爪を噛むといった自分で自分を傷つける行為すべてが自傷行為なのです。
「自殺行為」とは違います。死ぬかもしれないという行為はいません。しかし、時に予期せぬことで死に至ってしまうこともあるため注意が必要です。
自傷行為の原因は、心の痛みを和らげるため、体を傷つけることで、脳内麻薬の分泌を促して、その状態に依存しているからだといわれています。
そのほか、心を落ち着かせるため、周囲の目を引くため、自己の存在を確かめるため、現実逃避、自分への罰といったさまざまな動機があります。
自傷行為を繰り返す人の共通点として、異常なまでに自尊心が低いことがあげられます。
自分を必要以上に低く評価してしまうため、問題解決する力が自分にはないと思い込んでしまいます。
なぜ自尊心が低くなってしまうのか。その多くは、幼いころの家庭環境にあるといわれています。
虐待、孤独、抑圧などから、精神的に成熟していくうえで必要な愛情やサポートを得られなかった場合、精神構造が歪んで成長してしまうからです。
うつ病、統合失調症、人格障害、依存症、パニック障害、摂食障害、強迫性障害といった精神疾患も発症している可能性が高くなります。
一人で悩まずに、専門医に相談することが苦しみから解放されるための一番の近道です。
自傷行為を絶対に防止できる方法10選
自傷行為の直後は、脳内麻薬が分泌されており、痛みを感じないといいます。自傷自体は衝動的な行為なので、本人にも抑えきれません。
しかし、自傷行為は、本人の体も傷つきますが、周囲の家族や友人の心も傷つくことです。心の闇から逃げてばかりでは、根本解決することはできません。
まずは「助けてほしい」という意思表示をすることから始めましょう。
それでは、自傷行為を絶対に防止できる方法10選を具体的に紹介していきます。
信頼できる人に悩みを相談する
どうして自傷行為をしてしまうのか。自分の中で悩んでも答えはなかなか見つかりません。すると、それ自体がストレスになって、「自分はダメな人間だ」と自傷行為を繰り返します。
そんな自分でも理解してくれる、あるいは信頼できる人を作って、悩みを相談しましょう。相談して、正解が出るわけではありませんが、気持が軽くなって、自傷行為から遠ざかることができます。
カウンセリングに行く
心の状態をコントロールしようとしても、あまり効果がない場合には、専門家に助けを求めましょう。
精神的に追い詰められている状況でのセルフメンテナンスは非常に難しいものです。プロの力を借りることで、自傷行為を無理なくやめることも可能です。
精神科、心療内科を受診しましょう。薬の処方だけでなく、専任のカウンセラーがじっくりと話を聞いてくれる病院を選びましょう。
一旦考えることをやめる
自傷行為は、突発的に行ってしまうことがほとんどです。マイナス面に強く気持ちが動きそうだと感じたら、目を閉じて一旦考えることを止めましょう。
自傷行為は逃避の一種として行われることが多いため、問題を直視せず、衝動が収まるまで深呼吸をしながら、思考をいったんフリーズしてみましょう。
親ととことん話す
自傷行為の原因は、幼い時からの親との関係にあるといわれています。自分を傷つけてしまう人は、育っていた環境にも傷を負っているということです。
愛してもらえなかったため、自分を愛することができない。このような苦しみを感じている人は、親ととことん話し合って、苦しみを吐露することで、長年抱え込んでいた問題も解消しやすくなります。
親から離れて暮らす
親の中にはいわゆる「毒親」という人たちが存在します。自分が正しいことをしていると信じているため、子供の苦しみに耳を傾けようとはしません。
そして一緒にいる限り支配され、子供の心は、蝕まれていくだけです。今直ぐには無理でも、親から離れて暮らす計画を立てましょう。一人で暮らすことで、親からの干渉から抜け出し、新しい自分を発見できるかもしれません。
同じ苦しみを持つ仲間を作る
自傷行為を持つ人の中には、孤独を感じている人が多いものです。同じ悩みを持つ仲間を作ることで、ひとりではないという安心感が得られます。
また、共通する悩みを相談することで、精神的なストレスを軽減しやすくなります。
代替え行為をする
自傷行為は、自分を傷つけることで、心の痛みから自分を守る行為です。自分の体を傷つける代わりに、自傷に近い行為で、周りからは健全と思える行動に変えてしまいます。
これを代替え行為といいます。例えば、爪を噛みたくなったら、ハンドクリームを塗る。髪を抜きたくなったら、なでるといった行為に替えるように習慣づけましょう。
自傷行為を全面否定しない
周囲に自傷行為を繰り返す人がいる場合、最初から「これは悪いことだ」と人格まで否定するような全面否定はするべきではありません。
自傷行為を続ける人は「死にたいくらい辛い状況」を何とか生き延びるために行っていることです。
「生きるために今は必要なことなんだね。でも心配だよ」と理解を示しつつ、心の警戒心を解くようにしていくことが大切です。
約束をしない
周りの人からすると、自傷行為をした人に対して、「もう絶対にやらないと約束して!」とつい言いたくなります。しかし、自傷行為は再発が当たり前の行動です。呼応した約束の後に自傷が発生してしまうと「約束を破ってしまった」「裏切ってしまった」という自責の念に駆られて、さらにひどい自傷に及んでしまうことがあります。「もうやらないと約束して」という言葉は、禁句といっていいでしょう。
運動する
自傷行為はストレスがたまった状態です。自傷以外のストレス発散方法を見つけることが大切です。最も理想的なのが運動です。
適度な運動を趣味とすることで、心の中でストレスが溜まってきても、自傷のかわりに運動することで発散することができます。
どうしても自傷行為に走りたくなった時の5つの対処法
自傷行為は、主に心にストレスを抱えたときに発症しやすくなります。怒りや攻撃を周りに向けることができず、内側に向かっていきます。
こうしたストレスを外に出してやることで自傷行為を抑制することができます。
それでは、ここからはどうしても自傷行為に走りたくなった時の5つの対処法ひいては、自傷行為替わりとなる5つの代替行為について具体的に紹介していきます。
皮膚を赤く塗ったり、傷跡を描いたりしてみる
リストカットをはじめとする自傷行為への依存の中には「血や傷跡を見ると安心する」といったこともあります。
血の代わりに赤のボールペンなどで、自分で傷跡や血が流れている様子を描いてみます。刃物で皮膚を切ったことの代替え行為とすることで、体を傷つけることを避けられます。
氷を手首などに当てて刺激を与える
リストカットをはじめと自傷行為の目的の多くは、不安やストレスから感じる辛い感情を「痛み」に置き換えることで心の痛みを少しでも緩和することにあります。
冷たいという感覚は強い痛みに似ています。この痛みを代替えとして自傷行為を回避します。保冷剤を当てたり、氷を握ったりすることで、冷たさが痛みに変わってきます。これを繰り返していくうちに、心が落ち着いてきます。
怒りや悲しみなど、自分の抑えきれない感情を紙に殴り書きする
自分が思っていることや自分に言われた言葉、ストレスに感じた出来事などをすべて紙に書いてみることで、頭の中で自分の気持ちを整理することができます。殴り書きでかまいません。すべて書き尽くして心が落ち着いたら、その紙を破って、心の中のもやもやも一緒に破り捨ててしまいましょう。
皿や食器を壁や床に投げつける
誰でも、むしゃくしゃいたときにお皿を割るとスッキリするのではないでしょうか。ストレスや感情を外に吐き出すことは大事なことですが、自傷癖のある人は、この感情をうまく外に出せないでいます。
そんなときには、ストレス発散用に、100均などで割れても後で後悔しない食器を揃えておいて、思い切りたたき割りましょう。
クッションを叩く
クッションをなにかに見立てたりせず、ただ感情のままに手や棒などで、思い切り叩くだけで、かなり感情が発散されます。一緒に声を出すとさらに効果的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
自傷行為は、心の叫びでもあります。そのため、自傷行為を無理やり止めさせたとしても、今度は、違った形で現れます。
根本的な解決が必要になりますが、それには時間と努力が必要になります。
ここまで当ページでは、以下の自傷行為を防止できる方法をご紹介してきました。
- 信頼できる人に悩みを相談する
- カウンセリングに行く
- 一旦考えることをやめる
- 親ととことん話す
- 親から離れて暮らす
- 同じ苦しみを持つ仲間を作る
- 代替え行為をする
- 自傷行為を全面否定しない
- 約束をしない
- 運動する
さらに、自傷行為を防止する代替え行動を以下のようにご紹介してきました。
- 皮膚を赤く塗ったり、傷跡を描いたりしてみる
- 氷を手首などに当てて刺激を与える
- 怒りや悲しみなど、自分の抑えきれない感情を紙に殴り書きする
- 皿や食器を壁や床に投げつける
- クッションを叩く
自傷行為を繰り返す家族や友人がいる場合、距離感も大切になります。あまり干渉せず、何かあったら、すぐに駆け付けられる距離感です。
「また切っちゃった」といわれると「いい加減にしろ!」という怒りがこみ上げて、突き放したくもなりますが、これも心の叫びだと理解してあげることが大切です。