文部科学省の調査によると、最も不登校のリスクが高いのが中学生だという統計が出ています。
具体的な数字では、37人に1人、1クラスに最低1人は不登校になる子供がいるということになります。
どうして不登校になるの?
もしわが子が不登校になったら、どうしたらいいの?
日ごろから不登校にならないために、どのようなことに注意したらいい?
不登校というのは、特別なことではないといっても過言ではありません。しかし、もし起こってしまったら、できるだけ早い段階で学校に戻ってほしいというのが親の本音です。
そこで、当ページでは、不登校の中学生を不登校から治す10の方法についてご紹介しています。
子供の不登校が心配だという方はぜひ、参考にしてください。
不登校の原因
中学生の不登校には、いろいろな原因があります。まず最近多くなっているのが、学校生活でのトラブル。
とくに、LINEでつながっている友人関係のトラブルが多発しているようです。LINEはずしや既読無視などがきっかけになって、いじめに発展することも少なくありません。
不登校で最も多い原因として「無気力」があげられます、学校での生活が理想と違っていたり、期待に応えようとして無理をして疲れてしまったりして無気力な状態になってしまいます。
そんなときに、「勉強しろ」「学校に行け」といわれても、ますます無気力に拍車をかけてしまいます。
また、非行や遊びに走ってしまって、不登校になる子供もいます。その原因としては、家庭内の不和から居場所を無くしてしまったり、親が無関心であったりする場合もあります。
そのほかにも、学業不振といったことが引き金になって、学校に行くのが嫌になって、悪い友達に引き込まれるケースも多くあります。
中学生を不登校から治す10の方法
中学生を不登校から復帰させるには、原因やきっかけを知る必要があります。そのためには、普段から子供の変化に気づくことが大切になります。
それでは、中学生を不登校から治す10の方法について具体的に紹介していきます。
学校を休ませる
子供のあせりや不安を受け止めて、今までがんばってきたことを認めてあげましょう。そのうえで、休み始めたら、気力・体力が元に戻るまで休んでいいことを本人に伝え、安心感を与えましょう。
ゆっくり話ができる雰囲気を作る
子供が落ち着いてゆっくり話ができる雰囲気を作りましょう。学校に行きたくない理由を言えない場合も多いので、そのような時は、無理に聞き出そうとしてはいけません。
明らかないじめがある場合は別として、何となく事情を察するだけにとどめておくことも大切です。
罪悪感を軽くしてあげる
学校に行かない、行けないというのは、中学生にとって、罪悪感の何物でもありません。
それから逃れるため、ゲームやネットに依存したり、夜更かしが多くなって生活のリズムが狂ったりします。自分の罪悪感と向き合うためにも、家族が罪悪感を軽くしてあげる言葉をかけてあげることが大切です。
自信をつける
好きなこと、興味にあることをどんどん応援して、そこでがんばったことをとにかく褒めちぎってあげましょう。
学校以外の場での取り組みの中で、成功体験を積むことで、自己肯定感や自信をつけることができて、学校生活にも自信が持てるようになれます。
不登校専門の家庭教師をつける
家族との会話や外出ができるといった不登校段階では、不登校専門の家庭教師が有効です。
年齢の近いお兄さん、お姉さんと遊んで仲良くなり、悩み事を相談することで、将来への関心を生むきっかけを作ります。
生活のリズムを整える
とくに、不登校になりやすい生活のリズムは、夜更かしです。ネットゲームなどで朝方まで夢中になってしまうと、朝起きることができなくなります。
その習慣が身についてしまうことで、学校に行く気持ちがあるのに、起きられない。遅刻して怒られるのが嫌だから学校に行きたくないという構造が生まれてしまいます。
家族の会話を増やす
中学生は中学生なりに、学校生活のこと、友達関係のことに多くのストレスを抱えています。それを「グチる」ことで、ストレスを発散しているのです。
家族との会話でグチることができる環境を作ってやることで、ストレス発散になります。
先生や友達に呼び掛けてもらう
不登校がしばらく続いて、心身ともに疲れがなくなってきたころ、学校の先生や友達に「学校に来てみないか」と呼び掛けてもらいましょう。
最初は抵抗感があるかもしれませんが、こうした呼びかけがあると、学校のことを考え始めるようになります。
学校の情報は常に切らさない
不登校の子供がまず気にするのは、勉強よりも人間模様です。自分の不登校は、噂になっているのか、友達はどう考えているのか、どんな行事が行われていて、その結果はどうだったのかなど、学校は休んでいるけれど、クラスのイメージはつかみやすくなってきます。
それらの情報を電話やメール、学級通信などで入ってくるように心がけます。
子供を信頼する
子供が不登校になると、親は怒ったり、なだめたり、心配したりとただただ、おろおろするばかりかもしれません。
しかし、子供には、この状況を乗り切れる力があると信頼することもとても大切です。親からの信頼感を感じることができれば、子供は不安を克服することができます。
不登校の子に隠された3つの病気
不登校の原因は、いろいろありますが、精神的なことばかりではありません。実は「行きたくてもいけない」体の病が原因であることも最近になってわかってきました。
こちらでは、不登校の子に隠された3つの病気について具体的に紹介していきます。
精神病
精神病の中でも、統合失調症は、思春期に発症することが多くあります。識別は大変難しいのですが、いわゆる引きこもりらしくない奇妙な行動があります。
たとえば、「妄想」「幻聴」「空笑い」、奇妙な姿勢で部屋にいるなどです。なんだかおかしいと思ったら、精神科の医師に相談しましょう。統合失調症は対処が遅れると、回復が長引く病気です。
消火器系の病気
胃腸に不調を訴えて学校を休みがちになっている子供たちは、消化器系の病気の疑いがあります。
学校に行く時間になると「お腹が痛い」と言い出すなど、親からすれば「言い訳」にしか聞こえない状況であっても、実は難病の「潰瘍性大腸炎」や「ピロリ菌感染」が原因であることもあります。
その病気に合った治療をして、さらに心療内科の治療を併せて行うことで、学校に行けるようになったというケースはたくさんあります。
起立性調節障害
朝どうしても起きられない。そんな子供を見て「そんなのは気持ちの問題だ」と怒鳴る親もいるでしょう。
しかし、それは「起立性調節障害」という病気かもしれません。
寝ている状態から起き上がろうとすると、血液は重力により下半身に集まります。
しかし、このとき自律神経が働き、下半身の血管を収縮させ、血圧を上げることで、脳に血液を集めることができます。
しかし、起立性調節障害の場合は、その調節が上手くいかず、脳の血液が不足して激しい頭痛や吐き気に襲われて学校に行くどころではなくなってしまいます。
不登校を解消する自立支援施設について
中学生の不登校問題は、深刻さが増すばかりとなっています。さまざまな手を使っても、家族だからこじれてしまったり、暴力がひどくなったりするなど、手に負えなくなってしまうこともあります。
そのような時は、「身内の恥」と思わずに、国や地方自治体にも相談窓口があるので、積極的に相談しましょう。
そのなかで、今不登校の子供たちを受け入れて、自立支援を行うフリースクールが全国に広がっています。
ただし、なかには悪質な業者の被害に合う人もいるので、十分注意しなくてはなりません。
たとえば、ニュースにも取り上げられましたが、実体のない支援活動の名目で半年で数百万円という高額請求があったり、半強制的に無理やり車で連れ去って、軟禁状態に置かれたり、自立支援という名の、暴力行為も発覚しています
こうした被害に合わないように、自立支援施設やフリースクールと呼ばれている施設に関しては、それぞれ子供に合った形態の施設を選び、実態を詳しく知ることが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
中学生は、思春期ということもあり、とても難しい年ごろです。
さらに、幅広い選択肢の中から、自分の将来を決める進路を納得できる形で選んでほしいという親心もあります。そのため、不登校になると「この子に将来はないのではないか」という親自身も自暴自棄になる危険性があります。こうならないためにも、早期に登校拒否を解決したいものです。
このページでは、以下のような中学生を不登校から治す方法をご紹介してきました。
- 学校を休ませる
- ゆっくり話ができる雰囲気を作る
- 罪悪感を軽くしてあげる
- 自信をつける
- 不登校専門の家庭教師をつける
- 生活のリズムを整える
- 家族の会話を増やす
- 先生や友達に呼び掛けてもらう
- 学校の情報は常に切らさない
- 子供を信頼する
さらに、不登校になる原因を作っていた病気も、以下のようにご紹介してきました。
- 精神病
- 消火器系の病気
- 起立性調節障害
不登校になる前には、必ず「前兆」があります。たとえば、よく眠れていない、食欲がない、元気がないなどです。
こうした前兆を見逃さないためには、普段から子供を観察しておくことが大切です。そして、コミュニケーションをとることを心がけるようにしましょう。