赤ちゃんにとって、なくてはならない母乳。その母乳にも質の良いもの悪いものがあるのをご存知でしょうか。
母乳に関して、以下のような疑問や不安をいだかれているママさんもいらっしゃるのではないでしょうか。
赤ちゃんに悪影響を与える母乳があるって聞いた事があるけど…大丈夫かしら?
母乳に良い食べ物があるなら知りたい!
母乳に良い飲み物も知りたい!
赤ちゃんが毎日、体内に直接的に摂取する母乳は、ママの血液から作られています。
そのため、ママは質の良い血液をたくさん作らなければなりません。
良い母乳を出すには、母乳にいい食べ物や飲み物を熟知しておく必要があります。
そこで、当ページでは、母乳にいい食べ物や飲み物10選総まとめとしてご紹介しています。
妊娠・出産を控え、母乳育児を目指そうという方は、せひ参考にしてください。
母乳が出るメカニズム
女性は妊娠すると、ホルモンの影響で、乳腺組織が発達し、胸が大きくなり母乳が分泌されるようになります。
母乳の材料は血液です。毛細血管から乳腺に血液を取り込みます。
タンパク質をはじめとする栄養素、白血球などは取り込まれますが、赤血球は吸収されないため、母乳が赤くなることはありません。
出産すると、赤ちゃんと同時に胎盤も体外に排出されます。胎盤から出ていたエストロゲンとプロゲステロンが体内で急速に減少します。
すると母乳の分泌を促すプロラクチンや射乳反射を起こすオキシトシンが分泌されるようになります。
オキシトシンは、乳首を吸ったり、乳房を絞ったりすることで分泌が盛んになります。
オキシトシンが分泌されると、乳腺の乳管を通って、乳頭から母乳が分泌されます。
また、母乳を作るプロラクチンの濃度は、分娩時が最大で、その後徐々に減っていきます。
そのため、分娩直後に分泌される初乳は、免疫力や栄養分がとても高くなるので、分娩後すぐにおっぱいをあげる産院が増えています。
母乳に良い5つの食べ物
母乳は赤ちゃんが食事を食べられるまでの栄養源です。母乳の原料となるものは血液です。血液の原料となるものは食べ物です。
ママの毎日の食べ物の内容によって、母乳の質の善し悪しが決まってきます。
それでは、母乳に良い5つの食べ物を具体的に紹介していきます。
大豆
良質のタンパク質も母乳の質をアップします。「畑の肉」といわれるくらい質のいいタンパク源である大豆もおすすめです。
納豆や豆腐、きなこ、味噌を日々の献立に取り入れてみましょう。 白米にもぴったりです。
また、豆乳は大豆タンパクなどの栄養を吸収しながら水分補給もできるので一石二鳥です。
白米
白米はお腹もちもよく、どんなおかずとも合います。昔から、母乳の出をよくするためにお餅を食べるといいといわれてきました。
確かにもち米を使ったおこわやお餅は母乳の分泌を促進します。しかし、その反面で乳腺炎のリスクも高めます。おっぱいの出過ぎにより結果的に詰まってしまう事態を防ぐために、現在は避けたほうがいい食品となっています。
また、健康に良いとされている玄米や胚芽米なども、授乳期は避けたほうがいいでしょう。栄養は白米より優れています。
アクが強いうえに消化吸収されにくいという弱点があるからです。アクや消化されなかった栄養素などが母乳に混ざると、赤ちゃんの未熟な消化器官への負担がかかってしまいます。
根菜類
野菜を多くとると、体内の水分量が増えるので、母乳の増加に効果的です。とくに根菜類は体を温めるので、血流をよくしてくれます。
キュウリやトマトなどの夏野菜やレタスなどの淡色野菜は、体を冷やすもとになるので、注意が必要です。
また、タケノコやワラビなどの山菜類にはアクの強いものが多いので、母乳のためには避けたほうが無難です。
脂肪の少ない肉や魚
油脂分が多く含まれる食品は、おっぱいを詰まらせる原因となります。
バラ肉、ロース肉など脂身の多い肉や、サバやサンマなどの青魚、うなぎ、イクラなどの魚卵は脂肪分が多く、血液をドロドロにする原因となるので注意が必要です。
できるだけ、脂身の少ない鶏のササミや豚の赤身、タラやカレイなどの白身魚、貝類や小魚が母乳のためには良いでしょう。
海藻類
わかめ・昆布・ひじきといった海藻類はミネラルがたっぷりと含まれています。ミネラルは、血液もサラサラにしてくれるので、乳腺炎の予防にも効果があります。
母乳に良い5つの飲み物
母乳は、ほとんどが水分でできています。そのため、いつも以上に水分補給が必要になってきます。
毎日、水だけというのも飽きてしまいますし、どうせなら母乳のため、健康のための飲み物にしたいものです。
また、飲み物は母乳の成分にも影響します。できるだけ、カフェインの含まれていない飲み物を選ぶようにしましょう。
カフェインが母乳を通して赤ちゃんの体内に入ると、夜泣きの原因にもなります。さらに、アルコール類も母乳に影響を及ぼすので、授乳期のお酒は控えるようにしましょう。
それでは、母乳に良い5つの飲み物を具体的に紹介していきます。
ルイボスティー
ルイボスティーは、南米が原産国です。カルシウムやマグネシウムといったミネラルが豊富に含まれています。もちろんノンカフェインの飲み物です。
ルイボスティーには貧血を防ぐ効果や、乳腺や毛細血管を丈夫にする効果、さらにホルモンのバランスを整え、正常化する効果などがあります。
産後の肥立ちに、ぜひ活用したい飲み物で、母乳不足の水分補給にはピッタリです。
麦茶
麦茶は、ノンカフェインでさらに、食物繊維やミネラルもたっぷりなので、母乳のためには、最適な飲み物といえます。
麦茶といえば、夏と思われがちですが、冬でも温かい麦茶はとても美味しくいただけます。食事のとき、いつもの緑茶を麦茶に変えてみましょう。
ローズヒップティー
ローズヒップティーもノンカフェイン飲料なので、安心して飲むことができます。
ローズヒップは、ハーブティーの中でもビタミンCが豊富に含まれています。
レモンの20倍ともいわれ、その他にもカルシウム、鉄分、ビタミンAが豊富で、免疫力のアップとともに、貧血気味のママにもおすすめです。
タンポポコーヒー
カフェインが母乳に悪いということはよくわかっているけれど、コーヒーが飲みたい。そんなママも多いのではないでしょうか。
そんなことでストレスを溜めてしまっては、母乳の出も悪くなってしまいます。
そのようなときには、タンポポコーヒーを試してみてはいかがでしょう。タンポポコーヒーは、タンポポの根から作られた飲み物です。
コーヒーに風味がよく似ていて、普通のコーヒーよりもマイルドです。
タンポポコーヒーには、鉄分やミネラルが豊富で、血液の流れをよくする作用もあり、さらには疲労回復効果も期待できます。
ゴボウ茶
ゴボウ茶に含まれるサポニンというポリフェノールやイヌリンという食物繊維は体内の毒素を吐き出して、血液をサラサラにする働きを持っています。
そのため、乳腺での母乳の詰まりを防止することが出来ます。
ゴボウ茶は代謝を良くする働きがあるため、痩せやすい体質にしてくれて授乳後のダイエットを成功させやすくします。
さらに、食物繊維が便秘予防などに効果を発揮します。
母乳を出しやすくするマッサージの方法
おっぱいマッサージは、乳房の中にある小葉という部分で作られる母乳を乳管洞まで導くのに大切です。
この乳管洞がきちんと開通していないと、母乳が出にくくなってしまったり、つまってしまって乳腺炎になったりすることもあるので、できるだけ、出産前からマッサージをするようにしましょう。
妊娠初期には、乳房などを刺激することで、子宮が収縮してしまうので流産などの危険性がともないますが、中期から後期にかけては安定期に入るので、積極的にマッサージをするようにしましょう。ただし、子宮の張りなどを感じたときにはすぐに中止しましょう。
乳腺は血行が良くなると、開きやすくなります。お風呂の中やお風呂から上がったときにマッサージをすると、効果的です。
痛くない!やさしい母乳マッサージ
母乳マッサージは自分でも簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
母乳マッサージは妊娠中からはじめることができるので、毎日の習慣として続けるようにするとよいでしょう
<やり方>
- 片方の乳房を反対の手で外側から掴みます。
- もう片方の手の親指を脇下にあてます。
- 乳房の外側から内側に向かって両手で力を入れます。
- 3回繰り返しましょう。
以下の解説動画も併せて参考にしてみて下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
母乳の良さは、ママと赤ちゃんの絆を深めることや免疫効果をアップさせたり、ママの産後の肥立ちも良くしてくれたりします。
さらに、ミルクに比べると断然経済的です。
ここまで当ページでは、母乳にいい食べ物を以下のようにご紹介してきました。
- 大豆
- 白米
- 根菜類
- 脂肪の少ない肉や魚
- 海藻類
さらに、母乳にいい飲み物も以下のようにご紹介してきました。
- ルイボスティー
- 麦茶
- ローズヒップティー
- タンポポコーヒー
- ゴボウ茶
母乳で育てるのは、ママにとってはとても大変なことです。夜中に何度も起きなくてはなりませんし、ときには母乳が溜まって、おっぱいが痛くなって眠れない時もあります。
しかし、授乳期は長くてもたったの1年半で終わってしまうものです。
母乳にいい食べ物や飲み物を積極的にとって、授乳期の赤ちゃんとのスキンシップを思いきり楽しみましょう。