人間は、呼吸をしないと生きていられません。呼吸には「口呼吸」と「鼻呼吸」の2種類ありますが、どちらでもいいというわけにはいきません。
とくに最近では、鼻呼吸ができずに口呼吸に頼る人が増え、健康に悪影響を及ぼしているケースもあります。
鼻で呼吸することによって健康的な効果が得られ、美容にも良いということご存知でしたか?
知らず、知らずのうちに口呼吸になっていることをご存知ですか?
鼻呼吸のメカニズムがすごいことをご存知ですか?
当ページでは、鼻呼吸の効果10選について詳しくご紹介しています。
口呼吸をしているという方はぜひ、参考にしてください。
鼻呼吸とは
人は1分間に約20回の呼吸をしています。1日では、3万回近い呼吸になります。
その呼吸には2種類の呼吸方法があります。「鼻呼吸」と「口呼吸」です。
通常の呼吸は鼻呼吸で行われます。なぜなら、鼻の穴には、吸い込んだ空気を加湿し、温め、さらに除菌し、鼻の粘膜や鼻毛などによって、外部から侵入してこようとする細菌やウイルスを体内に入れない防御をしてくれるからです。
もちろん鼻呼吸だけでは酸素の供給が足りずに、口で呼吸することもあります。しかし、口の中は呼吸することで乾燥してしまいます。
口の中は唾液などで常に湿っている状態を保っていますが、口呼吸をすることで乾燥して口の中の菌が一気に増殖してしまいます。
喉の奥に細菌が増殖すれば、扁桃腺や風邪の原因になります。冷たい空気が直接肺の中に送り込まれれば、肺炎になる可能性もあります。
また口の中が乾燥することで、虫歯菌や歯周病菌が増殖して、口臭、歯肉炎、歯槽膿漏などを引き起こします。
このように、呼吸を「口呼吸」から「鼻呼吸」にするだけでも健康に対してとても良い影響があります。
普段あまり意識していない呼吸ですが、意識的に鼻呼吸にすることで、さまざまな効果を実感できるでしょう。
鼻呼吸の効果10選
自分が鼻呼吸をしているのか、口呼吸をしているのか、判断できない人も多いのではないでしょうか。
その場合には、日中あえて、口に医療用のテープを貼ってみることです。それで何不自由なく呼吸ができていればOKです。
しかし、違和感や息苦しさを感じるようであれば、普段から口呼吸がメインになっている可能性が高くなります。
それでは、鼻呼吸の効果10選を具体的に紹介していきます。
鼻筋が通る
今まで鼻呼吸をせずに、口呼吸に頼ってきていた人が鼻呼吸を始めると、鼻の筋肉が鍛えられるため、余分な脂肪が燃焼して、鼻筋が通るように鼻の形が変わってきます。
肌にハリが出る
鼻呼吸をするときには、しっかりと口を閉じていますから、口の周りの筋肉も緊張状態になります。
ところが口呼吸を続けていると、口の周りの筋肉が衰えてきます。そのため、ほうれい線やマリオネット線が出やすくなって、肌がたるんできます。
鼻呼吸することで、口周りの筋肉が鍛えられ、肌にハリが出ます。
免疫力が向上する
鼻呼吸することで、大気中にある目に見えないホコリや細菌、ウイルスなどを鼻の粘膜で吸着します。
吸着したものは、鼻水や鼻くそとなって体外に排出されます。また、鼻粘膜には無数の繊毛が生えているので、目に見えないくらいの小さな異物も逃しません。
熟睡できる
眠っているときに口呼吸をすると舌が喉に落ち込みやすくなって、いびきの原因になります。気道が狭くなって、そこを通る空気が震えることでイビキとなります。
鼻呼吸にすることで、自分のいびきの音で目を覚ましたり、苦しくなって目を覚ましたりすることもなく熟睡することができます。
ダイエットに効果がある
鼻呼吸は、鼻で深く呼吸することによって腹式呼吸になります。普段何気なくやっている呼吸法は胸式呼吸で、とくに女性は胸式呼吸になりやすいものです。
これを鼻から呼吸で腹式呼吸に替えることで、横隔膜が上下に大きく動き、基礎代謝をアップさせます。
歯周病を防ぐ
口の中は雑菌でいっぱいです。その雑菌を抑えてくれるのが唾液の役割です。
ところが口呼吸をすることで唾液が出ていてもすぐに乾燥してしまい、唾液の消毒作用がなくなってしまいます。
そのため、口呼吸から鼻呼吸に変えるだけでも、虫歯をはじめとする歯周病を防ぐことができます。
ストレス解消
右の鼻の穴から空気を吸うと交感神経をつかさどる「左脳」を刺激して、やる気を起こすといわれています。
逆に左の鼻の穴から空気を吸うと副交感神経をつかさどる「右脳」が刺激され、心が落ち着くといわれています。ストレス解消のためにも、鼻呼吸を利用しましょう。
体温の調節
鼻呼吸は、冷たい空気を直接体の中に取り込まないように調節しています。
冷気を温めて肺に送る機能で、たとえば外気温ゼロ度であっても、鼻から吸い込まれた空気は、肺に達するまでに36度まで加温されています。この機能のため、肺やそのほかの内臓の免疫力を維持することができるのです。
内臓強化
鼻呼吸は。気道抵抗という口呼吸よりも負荷が大きな筋肉を使うことが必要となります。また、鼻呼吸をすることで、内臓全体に影響を及ぼす横隔膜筋を鍛えることになります。
横隔膜筋は、体感を鍛えることにもつながるので内臓強化になります。
多くの酸素を取り込む
口呼吸よりも鼻呼吸の方が、実は多くの酸素を取り込んでいます。酸素の取り込みが増えることで、血行が良くなり、成人病の予防にも直接かかわってきます。
血中に酸素が多く取り込まれることによって、細胞が活性化され、健康や美容にも影響をもたらします。
呼吸を鼻呼吸に変える方法5選
口呼吸よりも鼻呼吸をすることのほうが、健康面でとてもメリットがあることがわかりました。
しかし、現在、口呼吸をしている人にとって、すぐに鼻呼吸にするというのは難しいものです。
それでは、呼吸を鼻呼吸に変える方法5選を具体的に紹介していきます。
ホッピングトレーニング
舌を上あごにくっつけて「ポンッ」と鳴らす直前の形を、5秒間キープ。そしてキープしたら音を鳴らします。
これを10回、1日に2セット行いましょう。続けることで、確実に舌の筋肉が鍛えられて、口をしっかりと閉じた鼻呼吸ができるようになります。
あいうべ体操
まず口を、「あ」の形に大きく開きます。次に、「い」の形にして、大きく横に開けます。そして、「う」の形にして、唇を前に思いっきり突き出しましょう。最後に、「べー」と、
舌を下に思い切り伸ばします。この一連の運動によって、口の筋肉を閉じるための筋力の不足を防ぐことができます。
専用グッズを活用する
睡眠時は意識して鼻呼吸を行えません。口呼吸を止めて、鼻呼吸をするためには、専用グッズも試してみましょう。
最も効果的なのが、睡眠時のマウステープです。寝ている間は、自分でも意識ができず、無意識に口呼吸になってしまっている可能性が高くなってしまいます。専用グッズを使うことで、寝ている間の口呼吸を防ぎます。
マスクを使う
寝るときにマスクを使うのも、鼻呼吸にするためには、とても効果的な方法です。実際、マスクを装着すると、口で呼吸するのが苦しくなります。
口だけにマスクをかけるようにして、鼻はオープンにしておきましょう。
枕の高さを調節する
寝ている間の鼻呼吸を行うためにも、とても大切なことです。枕の高さが合っていないと、姿勢が崩れて気道を圧迫することになります。
気道を圧迫すると口呼吸になってしまうので、気道を確保できる高さの枕にする必要があります。座布団やタオルを重ねながら、自分に合う枕の高さを探しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
たかが鼻からか、口からの呼吸によって、これほど健康や美容に影響をするものと考えていなかった人も多いのではないでしょうか。
ここまで当ページでは、以下のような鼻呼吸の効果をご紹介してきました。
- 鼻筋が通る
- 肌にハリが出る
- 免疫力が向上する
- 熟睡できる
- ダイエットに効果がある
- 歯周病を防ぐ
- ストレス解消
- 体温の調節
- 内臓強化
- 多くの酸素を取り込む
さらに、口呼吸から鼻呼吸にするための方法なども、以下のようにご紹介してきました。
- ホッピングトレーニング
- あいうべ体操
- 専用グッズを活用する
- マスクを使う
- 枕の高さを調節する
最近では6割の若者が口呼吸をしているという報告もあります。その原因のひとつが花粉症などの鼻アレルギーです。
口呼吸を妨げているこうした疾患を放置することで、さらなる免疫の低下が起こります。
まずは、常日頃、自分が口呼吸をしていないかどうかチェックすることから始めましょう。