20歳を超えたころから、親知らずを抜いたという人が急に増えたような気がします。
親知らずを抜くときは、大変な思いをしたという話も聞くので、抜くかどうか迷っている人も多いのではないでしょうか。
どうして親知らずというのか知っていますか?
親知らずの多くは歯茎が腫れたり、口臭の原因になったり、歯並びを悪くしたりと口の中で悪さをすることが多い歯なのをご存知ですか?
親知らずの抜歯は痛いイメージだから、できるなら抜きたくないと思っている方も多いのではないでしょうか?
親知らずには、抜いたほうがいい場合と抜かないでもいい場合があるのをご存知ですか?
実は、親知らずを抜歯しても痛みを和らげる方法があるのです。
当ページでは、親知らずの抜歯後に痛みを和らげる10の方法について詳しくご紹介しています。
親知らずを抜こうか、抜くまいかと悩んでいるという方はぜひ、参考にしてください。
親知らずとは
親知らずは、歯科医的には「第三大臼歯」「8番」などと呼ばれています。
一番奥の歯だと思っている人も多いようですが、真ん中の歯から数えて8番目の歯のことを指します。
この歯は、まだ子供のときには顎の成長が完全に出来上がっていないため、生えるスペースがありません。
なので、生えるスペースができるまでじっと歯茎の中で「歯の卵」として待機しています。
そして、大人になって、顎の骨格も発達すると奥に歯の生えるスペースができてきます。
そこで満を持して生えてくる歯のため、親も20歳を過ぎて立派な大人になった子供の歯をわざわざ見ることもないため「親知らず」と呼ばれています。
最近では、硬いものを噛むことが少なくなった子供の顎は小さくなり、親知らずが生えてくるスペースがなくなって、生えてこない人も多くなっています。
親知らずは、通常の歯と同じようにまっすぐと生えてくれれば問題はありません。
しかし、生えるスペースが小さかったり、隣の歯が生えるのを邪魔したりしていると、斜めに生えたり、歯茎から完全に出られなかったりします。
すると、そこに食べカスが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病になりやすくなります。また、かみ合わせが悪くなり、歯茎が腫れることもあります。
親知らずは、きれいにまっすぐに生えるという人は少なく、自分で歯磨きしているけれど十分な管理が行き届かなくてトラブルになることが多くなる歯です。
炎症や虫歯がひどくなると、前の歯にも悪影響を及ぼすので、歯医者さんでは早めに抜いてしまうことを勧めています。
親知らずの病気について
親知らずで一番心配なのは、虫歯や歯周病になることです。虫歯や歯周病になってしまった親知らずを放置しておくと、とくに、親知らずは、喉に近い部分にあるので、虫歯菌や歯周病菌が喉から、体内に入り込みやすくなります。そして、肺や心臓といった重要な臓器に病気をもたらして、死に至ることもあります。
親知らずが原因で病気に発展し、その親知らずを抜いたほうがいい場合と抜かなくてもいい場合の説明を具体的に紹介していきます。
親知らずを抜いたほうがいい場合
親知らずを抜いたほうがいい場合は、まず、親知らずがまっすぐに生えていなくて、横や斜めに生えている場合です。
この場合は、歯磨きをしっかりしていても、いつ腫れや痛みが出るかわかりません。
次に、親知らずが原因でまわりに歯や歯茎が虫歯や歯周病になりかけている場合です。隣の歯を残すためには、原因となる親知らずを抜歯する必要があります。
最後に、親知らずが腫れたり痛みを繰り返していたりする場合です。親しらずは腫れや痛みが出ても、時間が経てば落ち着いてしまうものです。
しかし、何度も繰り返します。繰り返しているうちに、口が開かなくなったり、顔の形がゆがんでしまったり、口臭がきつくなったりします。
そうならないためにも、腫れや痛みを繰り返すようであれば親知らずを抜歯したほうがいいでしょう。
親知らずを抜かなくてもいい場合
親知らずだからといって、わざわざ抜く必要のないものもあります。
親知らずが十分なスペースに生えており、かみ合わせがうまくいっている場合には抜歯する必要はありません。
また、これはレントゲンで撮影しないとわからないことですが、完全に歯茎に埋没してしまっているという親知らずもあります。
その場合、特に痛みがなければ、わざわざ抜歯する必要はありません。歯茎に埋没しているので、虫歯や歯周病になることもないためです。
さらに、親知らずの前の歯が大きな虫歯になっており、抜かなくてはならないような場合、その歯を抜いて親知らずをあえて残すという方法もあります。
親知らずの抜歯後に痛みを和らげる10の方法
親知らずは、歯の奥に生えています。しかも大臼歯なので、歯の根っこも深く、ときには歯茎を切開しなくてはならないケースもあります。
そのような大手術のあとは、当然ながら痛みに襲われることになります。しかし、いくつかのことを守れば、痛みも最小限に抑えることができるのです。
それでは、親知らずの抜歯後に痛みを和らげる10の方法を具体的に紹介していきます。
喫煙を控える
喫煙することで、一酸化炭素が体内に取り込まれます。すると毛細血管が収縮して血の巡りが悪くなるため、抜歯したところの歯茎の回復が遅くなります。
親知らずを抜歯した後、しばらくはタバコを吸うのを我慢しましょう。
お酒を控える
お酒を飲むと血管が広がって、血流がよくなります。すると親知らずを抜歯した後の血液が固まりにくくなって、痛みが引かないことがあります。
痛みが和らぐまではお酒を控えるようにしましょう。
麻酔が切れる前に痛み止めを飲む
親知らずを抜歯した時の麻酔の量にもよりますが、だいたい3~4時間後くらいには、麻酔が切れるようになっています。
麻酔が切れて、痛みが出てからあわてて痛み止めを飲むよりも、麻酔が切れる少し前に痛み止めを飲むことで感じる痛みは軽減されます。
痛み止めを追加して飲む
最初に痛み止めを飲んでからしばらくしても、痛みが取れない場合には、痛み止めを追加して飲みましょう。追加する目安の時間は6時間です。
痛み止めは強い薬なので、胃に負担がかかってしまうからです。
決められた時間に薬を飲む
痛み止めは、決められた時間に飲むことで、薬の効果を最大限に発揮することができます。
食前、食後、食中など指示された服用する時間をきちんと守るようにすることで、痛みや腫れを少なくできます。
冷やす
腫れや痛みを緩和するためには、冷やすことも効果があります。
冷やす場合には、直接氷などを患部に当ててしまうと、かえって痛みが増してしまうこともあるので、保冷材などをタオルでくるんで当てるようにしましょう。
また、冷やす場合は抜歯してから24時間以内にとどめておきます。なぜなら、冷やし続けることで、血液の循環が悪くなって、傷口のダメージ回復が遅くなってしまうからです。
ガーゼを噛んで止血する
親知らずを抜歯すると、必ずガーゼを噛むように指示されます。さらに、交換用のガーゼを渡されます。
これは、できるだけ早く止血させるための処置です。もし、30分以上しても出血が止まらない場合には、替えのガーゼを噛んで止血するようにしましょう。
うがいはしない
親知らずを抜いた後は、口の中に血のにおいや味がたまって、嫌な感じになります。
ついついうがいをしたくなりますが、これはNG行為です。抜歯した穴に血が溜まることで、ちょうどフタをする役割をしています。
血液は、かさぶたと同じ働きをして、骨を細菌から守ってくれています。
血液が溜まってフタをしてくれないと、骨がいつまでも露出してしまい、痛みが続くことになるので、抜歯した当日のうがいは我慢しましょう。
柔らかいものを食べる
親知らずを抜歯した日は、食事をするときに傷口に当たって痛い思いをしたり、せっかく固まった血がまた流れたりすることになります。
できるだけ傷口に食べ物が当たらないように、当たっても傷口を広げないように柔らかなものを食べるようにしましょう。
お粥やゼリー、ヨーグルト、冷ややっこなど噛まなくてもよいものを食べるようにしましょう。
頭を高くして寝る
親知らずを抜歯した後の傷口がズキズキして眠れないということもあるかもしれません。親知らずを抜いたところからは、少しずつ血が滲んで出てきています。
その血が顔の上のほうに行くと、腫れたり痛みが続いたりすることになります。血液を上に行かせないためにも、普段よりも頭を高くして寝るようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
親知らずは、すべてが悪いわけではなく、痛みや腫れがなく、きちんと歯磨きできていれば抜く必要のないものです。しかし、痛みや腫れが続くようであれば、できるだけ早く抜歯することが大切です。
ここまで当ページでは、以下のような親知らずの抜歯後に痛みを和らげる方法をご紹介してきました。
- 喫煙を控える
- お酒を控える
- 麻酔が切れる前に痛み止めを飲む
- 痛み止めを追加して飲む
- 決められた時間に薬を飲む
- 冷やす
- ガーゼを噛んで止血する
- うがいはしない
- 柔らかいものを食べる
- 頭を高くして寝る
「親知らず」というのは、親が知らない間に生える歯のことですが、親に頼らずに、しっかり自己管理する歯でもあるのではないでしょうか。親知らずを抜くことになっても、痛みの緩和方法を覚えておけば、思い切ることもできますね。痛みや腫れがある場合には、早めに歯医者さんに相談しましょう。