季節が夏に向かうと悩まされるのが、虫刺されですね。とくにダニは、かゆみが蚊に比べて数倍強いうえに長く続くので、厄介です。
小さすぎて肉眼では確認するのが非常に困難なだけに、以下のような疑問を抱かれる人も居るのではないでしょうか。
ダニの種類は?
ダニに刺された時はどう対処したらいいの?
ダニ被害を防止するためにはどうしたらいいの?
春から秋は虫刺されに悩まされる時期ですが、中には、服に覆われた場所を刺されていて、蚊にしてはかゆみがひどく、治りも悪いという原因不明の虫刺されがある方もいらっしゃるのでは?
実は、その症状は、ダニかもしれません。
当ページでは、ダニに刺された時の5つの対処法と5つの予防法としてご紹介しています。
毎年、この時期になると原因不明の虫刺されに悩んでいるという方はぜひ、参考にしてください。
人を刺すダニについて
世界には、約50万種類のダニがいるといわれています。
そのうち、日本に主に生息して、私たちの生活に密着しているのは5種類で「イエダニ」「ツメダニ」「マダニ」「ツメダニ」「コナダニ」です。
そのなかでも、人を刺すダニは「イエダニ」「ツメダニ」「マダニ」です。
それでは、人を刺すダニについてどのようなダニがいるのかを具体的に紹介していきます。
イエダニ
体長は、約0.6~1㎜です。ダニの中では比較的大きいダニで、肉眼で確認できることもあります。梅雨時から秋口の5~9月頃に増殖するダニです。
ネズミに寄生する吸血性のダニで、刺されるとすぐに痒くなります。本来はネズミに寄生しています。
ネズミが死んだり、巣を捨てたりした時に、一時的に宿主を探して人に寄生する習性があります。
自宅にネズミがいなくても、飲食店で洋服に付着して家の中に持ち込まれる可能性もあるので安心はできません。
根本的に駆除するためには、家にネズミがいる場合は、徹底的に駆除することです。
また、毒エサで駆除した場合、その死骸を放置しておくと、ダニが宿主を失って人間に寄生するので、死骸は必ず始末することです。
ツメダニ
体長は0.3~1㎜。5~9月頃に増殖するダニです。カーペットや畳などに繁殖するチリダニやコナダニを餌にして増殖をします。
吸血はしませんが、稀に間違って人を刺し体液を吸うため、刺咬症の原因になることもあります。
刺された直後には症状が現れず数時間~数日たってから痒みを感じるのがツメダニの特徴です。
ツメダニに刺されると痒みが1週間~10日と長く続きます。痒みの強さも蚊に比較すると非常に強く、我慢できずに?き壊してしまいます。
我慢できずに掻きむしると刺された痕が消えないこともあり、子どもは傷口からブドウ球菌などが入り込んで、「とびひ」になることもあります。
マダニ
体長は3~10mmぐらいまで種類により様々です。3~4月頃から増加しはじめ、10~11月頃が本格的な活動期となります。中には、冬季に活動する種類もいます。
シカ、イノシシなど野生動物のいる山や藪に生息していますが、町中でも、草むらなどにいて、犬や猫などにも取り付いて吸血します。
とくに登山やピクニック、キャンプなどの屋外活動後には気をつけたいダニです。夏だからといって、半ズボンやサンダルは控えて、肌の露出を少なくすることが必要です。
マダニに刺されて発症するSFTSにより、2013年には13人が死亡しています。
ウイルスの潜伏期間が長いため、もしも咬まれた疑いがあるなら皮膚科へいくようにしてください。
また、マダニが吸血しているからと、びっくりして強引に引きはがしたりすると、頭部や牙などが皮膚の中に残ってしまうことがあるので、やはりそのままにして病院で治療してもらいましょう。
ダニに刺された時の5つの対処法
ダニに刺されると、しつこい痒みに悩まされることになります。蚊に刺されたときには、市販のかゆみ止めを塗っておけば、数分でかゆみや腫れは治まります。
しかし、ダニの場合には、場合によっては数日間も悩まされ、さらには?き壊してしまって、半年以上も痕が残ってしまうこともあります。
それでは、ダニに刺された時の5つの対処法を具体的に紹介していきます。
できるだけ掻かないようにする
ダニに刺されると、非常に強い痒みに襲われることがあります。とくに子供は、掻きむしってしまって、そこから細菌などの二次感染が起こりやすくなります。
寝ているときなど、無意識に掻きむしってしまいそうなときには、市販のパッチや絆創膏を付けて、掻いてしまうのを防ぐようにしましょう
病院に行く
とくに、マダニに刺されたときには、自分で治療するのは避けましょう。マダニは、皮膚の奥に入り込んで吸血します。
そのとき、吸血部分は皮膚の奥深くまで達していることが多いのです。それを無理に引きはがすと、身体の一部が残って、感染症になる危険性があります。
病院で適切な処置をしてもらいましょう。
すぐに薬を塗る
ダニだけでなく、蚊に刺されてときなどもできるだけ掻かないようにします。しかし、ダニに刺されたら、かゆみを抑えることが大切です。
そのためには、市販でも処方箋でもかゆみを抑える薬をすぐに塗るようにしましょう。
ステロイド系の薬を塗る
蚊に比べるとダニに刺されたときのかゆみは、非常に強く、また長引いてしまいます。市販のかゆみ止めでは効果がないケースもあります。
薬を購入するときには、ステロイド系のかゆみ止めにしましょう。ステロイドは、かゆみの原因物質が作られるのを抑制する働きがあります。
かゆみ物質自体が作られないようにするので、
患部を冷やす
ダニに刺された部分が、赤くなったり、かゆみが強くなったりした場合、一時的に患部を冷やすことで、かゆみを和らげることができます。
逆に、お風呂に入って体を温めるとかゆみが増す傾向にあるので、ダニに刺されて痒いときには、サッとシャワーだけ浴びるようにしましょう。
ダニに刺された時の5つの予防法
ダニに刺されたら、まず駆除することです。しかし、ダニが出やすい環境が続いてしまえば、結局は、再びダニに刺されることとなり、堂々巡りになってしまいます。
あくまでも、ダニが発生しない根本解決が大切です。
それでは、ダニに刺された時の5つの予防法を具体的に紹介していきます。
こまめに掃除する
人を刺すダニは、他のダニをエサにしています。他のダニは、人の皮膚の角質、髪の毛、お菓子などの食べカスといったゴミをエサにしています。
そのため、ダニに刺されないようにするためには、こまめにダニのエサとなるものを放置しておかないということです。
こまめに掃除機をかけることが大切です。掃除機のかけ方も、さっとかけるのではなく、同じ場所を時間をかけることが大切です。
とくにカーペットや畳は丁寧に掃除機をかけるようにしましょう。
布団乾燥機を活用する
布団乾燥機といえば、冬に大活躍してくれますが、実はダニ退治にも威力を発揮します。
確かに、布団を太陽の下で干すのもダニ対策にはなりますが、太陽の熱くらいではダニは死滅しません。布団の奥の方に隠れてやり過ごすだけです。
布団乾燥機であれば、天日干しよりも高温で布団を乾燥させることができるので、ダニ対策には有効です。
また、日中は働いていて布団を干せない場合でも、短時間で乾燥させることができます。布団乾燥機は、夏こそ出番なのかもしれませんね。
部屋の中を換気する
ダニは高温多湿が大好きです。最近の住宅、とくにマンションなどは、高気密性になっており、換気が不十分だと室内に湿気が溜まることになります。
できるだけ、日中の留守の間も換気ができるように、換気扇を回しておいたり、除湿器を作動させたりすることをおすすめします。
虫よけスプレーを使う
旅先などで、布団のダニが気になることがあります。また、突然、自宅で寝ていてダニに刺されたときなど、応急処置として虫よけスプレーを体に吹き付けておくといいでしょう。
ダニは、暗くなると活発に動き回ります。夜寝る前に体全体にスプレーしておくと安心です。
殺虫剤を使う
大量発生したダニに悩まされている場合、思い切って殺虫剤を使いましょう。
一般的にダニに効果があるのは、燻煙式の殺虫剤です。押し入れやクレーゼットなどを開放して、すみずみまで煙が行き渡るようにします。
ただし、燻煙式の殺虫剤は、成虫にしか効果はありません。
卵には効果がないため、しばらくして卵が孵化すると、また同じことになってしまうので、日を置いて再度燻煙する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ダニは、生き物が生活していれば、必ず付いて回るものです。すべてのダニを回避することはできなくても、せめて刺されることは、少しの努力で回避できるのではないでしょうか。
ここまで当ページでは、以下のような人を刺すダニについて、その生態などをご紹介してきました。
- イエダニ
- ツメダニ
- マダニ
また、ダニに刺されたときの対処法について以下のようにご紹介してきました。
- できるだけ掻かないようにする
- 病院に行く
- すぐに薬を塗る
- ステロイド系の薬を塗る
- 患部を冷やす
さらに、ダニを予防する方法なども以下のようにご紹介してきました。
- こまめに掃除する
- 布団乾燥機を活用する
- 部屋の中を換気する
- 虫よけスプレーを使う
- 殺虫剤を使う
ダニを全滅させることは難しいものですが、予防策や処策を知っておくと、痒みを伴う不快な時間を過ごさなくて済みます。
被害を少しでも減らしたり、適切なケア行ったりすることで二次感染も防ぐことができます。ダニ予防をして、快適な夏を過ごしましょう。