
小学校に入学するあたりから、なぜか周りの子ども達と異なった行動をしてしまったり、皆ができることができなかったり、集団のなかで浮き上がってしまう子どもがいます。
ひと昔前は、こうした子どもを、ただの乱暴者、親のしつけができていない子どもとみなされてきました。しかし、今では、多動性障害という障害のひとつであると考えられています。
多動性障害ってなに?
多動性障害はどうして起こるの?
多動性障害を改善する治療方法は?
近年、発達障害の子どもが増えていることが社会的な問題となっています。その中でもADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもの扱いに悩まされる方は多くいます。
多動性障害の病気についてしっかりと向き合い確実な治療法を行えば、完治する事はできます。
そこで、当ページでは、多動性障害を改善する治療方法10選についてご紹介しています。
多動性障害のお子さんを持つという方はぜひ、参考にしてください。
多動性障害とは
多動性障害とは、別名「注意欠陥多動性障害」とも呼ばれています。
その特徴は主に「多動性」「不注意」「衝動性」3つの柱があります。
多動性は、落ち着きがなく、じっとしていられない。授業中でも教室を歩き回る。本を読むなどじっと座ってする活動ができないといった行動です。
不注意は、物事に集中できず、忘れ物が多かったり、ケアレスミスが多かったりします。衝動性は、思い付きで行動してしまう傾向が強くなります。
どの要素が強く出るかは人によって異なるので、症状には個人差があります。
一般的に男の子は多動性・衝動性が表に出やすく、女の子は不注意の要素が出やすい傾向にあります。
子どものころに、多動性障害が判明すれば、心理療法や行動療療法、薬物療法、食事療法などにより徐々に、自分をコントロールする方法を身につけることができ、大人になるころには生活に支障のないほど改善することができます。
しかし、子どもの頃に多動性障害の発症が見逃され、そのまま大人になってしまうと、社会生活がスムーズに営むことができずに悩むことが多くなります。
仕事がうまくいかずに転職を繰り返したり、自分に自信を無くして引きこもりになってしまったりすることもあり、深刻な問題になってしまうケースもあります。
多動性障害の原因
多動性障害の原因は、まだ判明していません。しかし、性格的なものが原因ではなく、脳の機能障害が原因だと考えられています。
現在、有力視されているのが脳の前頭葉部分の機能異常です。
前頭葉は、物事を整理整頓したり、論理的に考えたりする働きをします。
また、注意を持続させたり、行動などをコントロールさせたりしますが、多動性障害の人は、何らかの偏りや異常があり、うまく働いていないのではないかと考えられています。
前頭葉が正常に働くためには、神経伝達物質のドーパミンがニューロンによって運ばれなくてはなりません。
しかし多動性障害の人は、ドーパミンがうまく運べず前頭葉の働きが弱くなってしまい「多動」「衝動」「不注意」といった3つの特徴が現れると考えられています。
多動性障害は、外からはわかりにくいため周囲から誤解されやすい障害です。
学校ではいじめの対象になったり、疎外されたりするかもしれません。まずは、親が子どもの状態を受け入れることが大切です。そして、病院で検査をしてもらいましょう。
多動性障害が判明した時点で、障害を隠すのではなく、周りの人に理解を求めることが大切です。
学校関係者に相談したり、父兄にも子どもの障害のことを理解してもらったりして、いかに子どもが生活しやすくなるかを考えてあげることが最優先事項となります。
多動性障害を改善する治療方法10選
多動性障害は、脳の異常が原因です。そのため、根治治療というのは今のところできません。
しかし、早期に発見し、自分の感情をコントロールする方法を身につけることができます。
不注意や忘れ物が多ければ、メモをする習慣を身につけたり、衝動買いが多ければ、クレジットカードを持たないように心がけたりするなどの対策も身につくようになります。
それでは、ここからは、多動性障害を改善する治療方法10選を具体的に紹介していきます。
自分が多動性障害であることを認識する
本人が多動性障害であることに気づくことがとても重要です。
なぜなら、自覚することによって、自分のコントロールがしやすくなるからです。
気になる人は、セルフチェックをしてみるといいでしょう。
また子どもの場合には、医療機関でもチェックしてくれるので、まずは自分が障害を持っているのかを確認しましょう。
薬物療法
主に使われているメチルフェニデートなどの中枢神経刺激薬は、ノラドレナリンとドーパミンの取り込みを抑制することで、神経伝達物質の不足が改善され、多動性障害の症状を改善するとされています。
約80%の人に症状の改善がみられるという報告もあります。
心理療法
多動性障害の人は、集中力の欠如、落ち着きのなさから失敗することが多く、自己評価の低い人も多い傾向となります。
心理療法によって、自己評価を高め、心のケアをしていきます。
不安を取り除くことで精神的に安定するので、症状も改善できます。
行動療法
問題行動を自覚し、その行動を改善するため、実践で身につけていく方法です。
本人の潜在能力を引き出しながら、問題行動をよい方向に導いていきます。きちんとした行動ができた時には、ほめてあげることで、本人の自信にもつながっていきます。
認知療法
多動性障害の特性を理解したうえで、問題行動の認知の仕方を変えていくものです。問題行動をどのようにとらえるかによって、感情の起伏や行動にも変化が現れてきます。
そして、徐々に感情をコントロールできるようにしていきます。
食事療法
多動性障害の問題行動は、砂糖や食品添加物の過剰摂取も影響しているといわれています。
食事療法では、こうした食品の摂取をできるだけ控えるようにして、バランスのとれた食事を心がける治療を行います。
完璧を目指さない
多動性障害の人は、簡単なミスや失敗を普通の人よりもしがちです。
それなのに完璧を目指してしまうと、できないことにイライラしたり、かえって失敗を繰り返したりして、自信を失ってしまいます。
完璧主義はやめて、苦手なものは誰かに任せ、得意なものを一生懸命にやるというスタンスを取りましょう。
生活環境を見直す
集中の妨げになるような、壁のポスター、テレビの音量などを取り除くようにすることも改善につながります。
またイライラした時には、冷静になれる場所を確保しておくことです。
メモ帳や携帯のアラーム機能などを利用して、忘れ物がないか、スケジュールがどうなっているかなど、常にチェックしておけるようにします。
このように、生活環境を見直すことによって、失敗行動を回避することができます。
瞑想がADHDの症状を改善する
超越瞑想は、職場、学校、公園のベンチなど、どこでも気軽に行えます。一回の瞑想は15分~20分。
楽に座って目を閉じて、自分に適した音を心の中で用います。
この簡単な瞑想法は、根深いストレスを解消することで、脳の潜在力を開発し、多動行動を落ち着かせ、物事に集中しやすくすることができます。
※以下の動画をは、ADHDの症状を改善する為の動画です。是非、参考にしてみて下さい。
発達障害児のための運動指導法
発達性協調運動障害の診断ポイントと機能向上プログラムです。走り回って落ち着きがない、運動が苦手、コミュニケーションが取れない。
そんな多動性障害の子供たちの症状を正しく理解し、機能向上を目指します。身近なものできて、すぐに使える評価・指導法をご紹介します。
※以下の動画は、多動性障害の子供たちの訓練動画です。是非、参考にしてみて下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
多動性障害は、脳の病気であり、その原因はまだわからないことが多いのです。
そのため、特効薬というものもありませんし、治療方法も確立されていません。
しかし、子どもの頃に早期発見することで、問題行動をとる自分自身をコントロールすることができるようになります。
ここまで当ページでは、以下のような多動性障害を改善する治療方法をご紹介してきました。
- 自分が多動性障害であることを認識する
- 薬物療法
- 心理療法
- 行動療法
- 認知療法
- 食事療法
- 完璧を目指さない
- 生活環境を見直す
- 瞑想がADHDの症状を改善する
- 発達障害児のための運動指導法
多動性障害だからといって、悲観することはありません。自分の好きなことに関しては集中力をいかんなく発揮する子どもも多く、個性的な感性を持っている人も少なくありません。
その才能を伸ばすことで、芸能界やスポーツ界などで成功している人も多いのです。



