自分の輝かしい未来に向けて、一生懸命に就活をしても、入社してブラック企業だったと後悔することも少なくありません。
こうしたブラック企業は、中小企業ばかりではありません。大手の上場企業であっても、ブラック企業である場合があるのです。
最近では、ブラック企業で飼い殺し状態にされ、過労死、自殺…なんてニュースも珍しくありません。
入社する前にブラック企業を見極められるようになっておく事で、そのようなブラック企業への就職を予め避けることができると思いませんか?
ブラック企業への不安をなくしたくありませんか?
ブラック企業からの脱出方法を知りたくありませんか?
実はブラック企業の見分け方は、ちょっとしたコツを知っているか知らないかだけで、しっかりと把握しブラック企業かを見極めることが簡単にできるのです。
そこで、当ページでは、ブラック企業の見分ける方とブラック企業である10の特徴について詳しくご紹介しています。現在、就活真っ最中という方や、二度とブラック企業にはつかまりたくないという方はぜひ、参考にしてください。
ブラック企業の見分け方について
ひとくちにブラック企業といっても、その特徴はさまざまです。
とくに、新卒で初めての会社に勤める場合、他の会社や仕事を知らないわけですから、毎日の業務に追われて「会社というのは。こんなものかな」と思ってしまうこともあります。
そして、久しぶりに会った学生時代の友人の話を聞いて、今いる自分の会社の実情に愕然となるというケースも少なくないのではないでしょうか。
ブラック企業は、入社してみなければわからないこともたくさんあります。
外面は、とても華やかで、充実しており、花形産業のように思えても、実際に働いている人にとっては、過酷で精神的、肉体的に耐えられない人が続出していることも少なくありません。
そのような内部事情を就職までにつかんでおくことが大切です。そのためには、就職四季報での離職率や就活サイトなどの口コミなどを参考にするべきでしょう。
とくに口コミサイトでは、自由に書き込みができる場合、悪意のある口コミが書き込まれることもあるので注意が必要です。サイトに個人情報をしっかり登録しなければ書き込みができないようなサイトなら、比較的信頼できるでしょう。
求人情報と実際に入社したときの条件が違っている場合にも注意が必要です。内定したときには、必ず契約書を交わすことになっています。このときに疑問に思ったこと、ハッキリさせたいことなどを確認して、納得できる回答を得られない場合には、白紙にするくらいの勇気と決断が必要です。
ブラック企業と判断してよい10の特徴
資本主義のマイナス面。つまり、経営者が労働者のことをないがしろにして、利潤ばかり追求し続ければ、ブラック企業はなくなりません。
また、個人的に「仕事がつらい」「面白くない」「上司との折り合いが悪い」などの理由では、ブラック企業とは言えません。個人の問題になります。
ブラック企業といわれる企業には、いくつかの共通点があります。それらの共通点を知っておけば、ブラック企業の落とし穴に落ちる危険性も回避できるのではないでしょうか。
それでは、ブラック企業と判断してよい10の特徴を具体的に紹介していきます。
離職率が高い
なんといっても、離職率の高い会社は、それだけ不満を持っているという証です。
急成長をして、人材を求めているという場合を除いて、「3年後離職率」が3割以上、1年間に会社全体の離職率が5%以上となっている会社は、ブラックである確率がかなり高くなります。
内定がすぐに出る
経営者が即決で内定を出す場合など、特殊な場合を除いて、多くの企業では採用に対して100万円以上の費用をかけています。
そのため、おいそれと簡単に内定を出すことはできません。
簡単に、内定が出るという企業は、離職者が多くて慢性的な人材不足になっている可能性、キャリア形成を考えていない使い捨ての企業かもしれません。
書類選考がない
書類選考がないということは、人気がないということの証明でもあります。人気がないため、人材が確保できず、書類選考などといったふるいをかけることなく、誰でもウエルカムといった状態です。
人気がないのには、それなりの理由があるはず。ブラックである可能性が高い企業です。
過去にその企業で体を壊した人がたくさんいる
過労で自殺。労働問題で労働基準局の査察がはいるなどの問題を起こした企業は、ブラックの度合いが高くなります。
入社後でなければ、こういった実態はわかりにくいものですが、求人サイトの口コミなどで、事前にわかることもあります。
やたらと罰則だけが多い
たとえば、当日有給の使用は認めない、欠勤が続けば、給与の何割かはカット、電車遅延でも減給対象になるなどなど、罰則ばかりが目立つ企業はブラックの可能性が高くなります。
企業の姿勢にゆとりがないということと、そこまでして縛らないとやっていけないということの表れでしょう。
従業員に妻帯者やママさんがいない
働いていて、将来の見通しができれば、ほとんどの人が家庭を持ちたいと思うのが当然です。しかし、ブラック企業に勤めていては、将来に対して漠然とした不安しか残りません。
言葉に出なくても、周りは30過ぎた独身者ばかりだ。あるいは、ママさん従業員が一人もいない。そのような企業は、やはり待遇面などに問題があるからで、ブラックといってもいいでしょう。
裁量労働制には注意
働き方に「裁量労働制」というものがあります。とくにデザイナーなど時給換算できない仕事に従事している場合、この方式を取る企業は少なくありません。
いわゆる能力主義ということですが、ほとんどの場合、結果が出ずに時間ばかりかかってしまうため、労働時間のわりに給与が低いという状態になり兼ねません。
給料はそこそこだけれど、就業時間を計算して時間割にしたら、時給で100円以下だったといった笑い話のような現実もあるのです。
就職四季報をチェックする
就職四季報は「東洋経済新報社」が発行しているものです。どの企業からも掲載料は一切取っておらず、その点で完全に中立な立場で企業の優劣を判断する材料としては信頼性のおけるものです。
あくまでも、第三者からの情報によって編集されているので、ブラック企業を見分けるのにかなり役立つ情報が掲載されています。
説明会の会場が不釣り合い
上場企業などでは、大きなホテルやイベント会場などを借り切って説明会を行うことも珍しくありません。
しかし、バブルの頃ならまだしも、現在の経済状況の中で会社規模の割に会場が特に豪華である場合には注意が必要です。
ブラック企業では、とにかく消耗品のようにして人材を集める傾向が強いので、労働環境の悪さを隠すためにも、説明会では会社の外の会場を使用することが多く、見栄えのする会場で求職者をだまそうとします。
内定後の拘束が厳しい
たとえば、内定後にすぐに長期研修があったり、内定後にインターシップを強要してきたりする企業は怪しいと思っていいでしょう。
「逃げられないようにする」という意図が見え見えだからです。
他の企業への就職活動を露骨に妨害してくるような企業は、そこまでして人材を確保したいよほどの理由があり、常に人材不足(離職率が高い)原因があることが予想されます。
ブラック企業にいる方が取るべき5つの対処法
ひと昔前までは、ブラック企業というと、中小企業を中心にした内部保留財産も少なく「カツカツ」状態の企業でした。
しかし、最近では電通など大手の企業でも、残業時間が長かったり、仕事量が多かったりして自殺者を出しています。厳しい経済状況の中、ブラック企業は確実に増えているといっても過言ではありません。不幸にしてブラック企業に入社してしまった場合、どのように対処すればいいのでしょう。
それでは、ブラック企業にいる方が取るべき5つの対処法を具体的に紹介していきます。
社員で結束して改善する
ブラック企業の場合、社内の労働者を守るべき労働組合がないことのほうが多いのではないでしょうか。
新たに労働組合を立ち上げるのは、非常に大変なことです。そのため、徐々に社内の賛同者を募って、ある程度の数がまとまったら、会社に改善案を提案することです。
人数がまとまって、総意を会社に伝えることにより、ある程度のプレッシャーを与えることができます。
合同労組に加入する
ブラック企業には、労働組合がないことがほとんどで、理不尽な労働条件で泣く泣く働かされている人もたくさんいます。
そのようなときに頼りになるのが「合同労組」です。ひとつの企業からではなく、複数の企業の従業員で結成された労働組合のことで、ひとりからでも加入することができます。
会社での問題に対して、ひとりでは太刀打ちできなくても、団体となれば大きな力を持つこともできます。
なによりも、いろいろな相談に乗ってもらえるので、精神的にも強くなれます。
外部の力を借りる
ブラック企業は、叩けばほこりが出るところばかりです。そんなブラック企業が最も恐れるのが「労働基準監督署」です。
とくに「賃金未払い」やサービス残業に対しては、厳しく追及してくれることでしょう。
その場合、しっかりとタイムカードのコピーを取っておくなど、自分の勤務状況が確認できる資料を残しておくことが大切です。
副業をなどで別の収入源を確保しておく
今の会社を辞めても、とりあえず生活できるくらいの副収入を得ておくことです。
副業を始めると、現在のブラック企業での仕事への意識が分散され、さらに視野も広がり、やりがいも出てきます。
そのため、本業への負担が軽く感じることもあるようです。「いつでもやめてやる」という気持ち的なゆとりが出てくるため、精神的にも追い詰められることを避けられます。
さっさと辞める
過去には、3年以上我慢して続けないと職歴に傷がつくので、次の就職の際に不利になるといったこともあったようです。
しかし、現在では学校を卒業して就職した会社を3年以内に辞めてしまった第二新卒者でも、積極的に採用する企業が増えてきました。
もう「3年間は我慢」というジンクスは捨てて、見切りをつけることが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
就活を一生懸命しても、ブラック企業が見抜けずにつらい思いをしている人も多いのではないでしょうか。
仕事は、これから定年まで40年間続きます。40年もブラック企業で働き続ける自信はありますか?もし、自信がなければ思い切って転職も考えてみましょう。
ここまで当ページでは、以下のようなブラック企業を見分ける方法をご紹介してきました。
- 離職率が高い
- 内定がすぐに出る
- 書類選考がない
- 過去にその企業で体を壊した人がたくさんいる
- やたらと罰則だけが多い
- 従業員に妻帯者やママさんがいない
- 裁量労働制には注意
- 就職四季報をチェックする
- 説明会の会場が不釣り合い
- 内定後の拘束が厳しい
また、じぶんがブラック企業に勤めてしまった場合の対策も、以下のようにご紹介してきました。
- 社員で結束して改善する
- 合同労組に加入する
- 外部の力を借りる
- 副業をなどで別の収入源を確保しておく
- さっさと辞める
ブラック企業の定義というのは、実はあまり明確ではありません。個人的な判断材料も加味されるからでしょう。
一番大切なことは、自分のわがままだけで「ブラック企業」と思わないことです。
「仕事がつらい」「自分には合っていない」「もっとラクしたい」「給料のいいところに就職したい」などで退職しないことです。
安易な理由で退職すると、また再び甘い言葉で勧誘するブラック企業に就職してしまう可能性もあります。