リストラや経済的な不安、終身雇用制度の崩壊などによって、サラリーマン世界に余裕がなくなってくると増えてくるのがパワハラといわれています。
あなたも、上司から精神的な苦痛を受け続けていませんか?
最近、会社に行きたくないと切実に考えていませんか?
会社の人間関係で悩んでいませんか?
「これってパワハラ…」と感じている心当たりありませんか?
上司に暴言やパワハラがある場合、会社に行きたくなくなってしまいますよね。
しかし、生活があるのでそうもいかなく、うつ状態になって、結局退職を余儀なくされてしまうことも少なくありません。
泣き寝入りすることはありません。パワハラを受けた場合は、しっかりとした対応策を持っておけば強いのです。
そこで、当ページでは、パワハラ対策に最も効果的な10の方法について詳しくご紹介しています。職場でのパワハラで悩んでいるという方、パワハラ被害に心当たりのある方は当ページをパワハラ問題解決のきっかけにするために、ぜひ、参考にしてください。
パワハラとは
パワハラは、セクハラの次に出てきた言葉で、今や企業に勤める人にとって当たり前になってきました。
パワハラは「パワーハラスメント」といって、2001年にコンサルティング会社のスタッフが創った和製英語といわれています。
社内のコンプライアンスなどでも、たびたび議題になることも多いので、身近にとらえている人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に自分がパワハラを受けると、どこまでが通常業務で、どこからがパワハラなのかはっきりしないというケースも多いものです。
パワハラは大きく分けると6つになります。
- 殴る・蹴る・突き飛ばすといった「身体的侵害」
- 脅迫や名誉棄損、侮辱やひどい暴言などの「精神的侵害」
- 無視、隔離、仲間外れといった「人間関係からの切り離し」
- 業務上明らかに達成不可能なノルマを課すなどの「過大な要求」
- 能力以下の仕事しか与えない「過小な要求」
- プライベートなことまで過剰に踏み込んでくる「個の侵害」
パワハラは、上司から部下へのいじめ・嫌がらせだけではありません。先輩・後輩の関係や逆に部下から上司へのパワハラもあり、非常に複雑化しています。
そのため、会社でのパワハラを証明したり、改善を求めたりするのは、とても困難だともいわれています。
実際に起きているパワハラ被害の事例5選
最近では、パワハラの認識が一般的に浸透してきていることや、会社のコンプライアンスも徹底されるようになりました。
そのため、今まで当たり前と思われてきたことが、実は立派な「パワハラ」だということが分かってきたのです。
私たちの身近にもパワハラはたくさんあります。当事者がそうとは思っていなくても、第三者からみるとパワハラである可能性のある行為があるのです。
それでは、実際に起きたパワハラ被害の事例5選を具体的に紹介していきます。
事例1「豊田真由子衆院議員のパワハラ」
最初に週刊誌が報じ、その後にテレビのワイドショーなどに毎日のように取り上げられた豊田真由子衆院議員の肉声。
「この、ハゲ~~?!」
「ちがう!ちがうだろ?」
「死ねば、生きてる価値ないだろ」
「っす。す~す~」などなど
聞くに堪えないような言葉の暴力が、車内という密室で行われていたことに驚いた人も多いのではないでしょうか。
これらのパワハラは、日常茶飯事に行われており、豊田事務所は開設して4年半、100人以上の秘書が辞めたというくらいひどいものだったそうです。
事例2「アッコにおまかせ」でのパワハラ疑惑
タレントの和田アキ子がMCを務めるTBS系番組。この番組の中で、「淫行疑惑」のあった狩野秀孝へ、出川に対して強引に和田アキ子が電話をさせたということがパワハラにあたるのではないかと視聴者から抗議の電話が殺到しました。
最初、出川は「それはちょっと」と拒否していましたが、それを和田アキ子が「放送を見ているかもしれないから、電話してみれば?」「なんで電話しちゃだめなの?」などと半ば強引に出川に電話を強要しました。
結局、留守電だったのですが、これらの一連の流れを見た視聴者からは、和田の「パワハラだ」という指摘が相次いだといわれています。
事例3 「学習塾SCホールディングス専務によるパワハラ」
パワハラを行ったのは、SCホールディングスの専務取締役。内定者面談において、恫喝発言を繰り返し、内定を辞退させた問題です。
この専務は、このほかにも日常的に社員に対してパワハラ行為を行っていました。
内定を辞退させた学生に対して「お前をダメだって判断する権利を持っている」「お前、俺がダメだっていったら、ずっとコールセンターだよ」「ぶっ殺す」などなどといった暴言が明るみになりました。
事例4 「日研化学事件」
MRとして勤務していた男性。直属の上司である係長からさまざまな暴言を浴びせつられ続けました。
「存在自体が目障りだ」「お願いだから消えてくれ」「給料泥棒」など、業務に全く関係のないことで人格を否定する言葉から、うつ病を発症し、自殺に追い込まれました。
裁判の結果、労災認定されています。
事例5 「誠昇会北本共済病院事件」
看護師の取得を目指していた男性は、職場の先輩から、さまざまな嫌がらせを受けていました。
先輩の肩もみから始まり、家の掃除、車の洗車などの雑用を一方的に命じられたり、個人的な用事のために車の送迎を命じられたりしました。
さらに、交際中の女性との仲を邪魔されたり、悪質なメールなども送り付けられていたりしました。その結果、精神的に追い込まれた男性は、自殺してしまいます。
パワハラ対策に最も効果的な10の方法
パワハラは、いわゆる「弱い者いじめ」です。弱い立場の人間をいじめることで、自分自身のストレスを解消しているのです。
そのことを分かってしまえば「この人もかわいそうな人だ」と思えるのではないでしょうか。パワハラをまともに受けてしまっては、精神的にも苦しくなるばかりです。それでは、パワハラ対策に最も効果的な10の方法を具体的に紹介していきます。
できるだけ多くの人に相談する
上司のパワハラをできるだけ多くの人に相談して、同じ部署内に「同志」をつくることです。
パワハラの現場を見ている同僚は多く、これらを「嫌だな」と思っている人も多いはず。パワハラの矛先を自分に向けられる可能性もあるので、高い関心があります。
同志をつくっておけば、会社にパワハラを訴えたときにも、第三者の意見があれば、受け入れられやすくなります。
社内の担当窓口に相談する
比較的大きな会社であれば、コンプライアンスに対する体制もしっかりとしているはずです。そのような相談窓口が設けられている場合には、一度相談してみましょう。
そういった窓口がない場合でも、人事部に相談を持ち掛けることでパワハラが収まることもあります。
それはパワハラだ!と正面に主張する
パワハラを行う場合、相手が抵抗しない、言いなりになるといったことが根底にあります。
こいつにひどいことを言っても、反論してこないだろうという気持ちが心のどこかにあるので、パワハラを受けやすい人が出てくるのです。
正面切って「今のは、パワハラです。謝罪してください。でなければ、出るところに出ますよ」と腹をくくって反論しましょう。
そのためには、パワハラとは何かをしっかりと説明できるだけの知識を持っておきましょう。
厚生省のサイトを利用する
社内のコンプライアンス部署などに相談しても、一向に解決しなかったり、相手にされなかったりした場合、厚生省のサイトや窓口を利用してみましょう。
厚生省には、各都道府県の労働局に「総合労働相談センター」という窓口があります。また、「心の耳」というサイトもあって、気軽にパワハラ問題を相談することができます。
パワハラの事実を記録しておく
パワハラを社内のコンプライアンス部署に訴えるにしても、記録が重要になります。
現場にいない人間にとって、いくら言葉を重ねられても実感できません。また、公正に判断することが難しくなってしまいます。
そのために、できるだけ克明な記録を取っておくことが大切です。
わかりやすく、日付、時間、誰からどのような状況で、どんな言葉が出たのか、そのときの気持ちはどうだったのかなどを日記として記録しておきましょう。
ICレコーダーが効果的
豊田議員のセクハラ問題でも、音声を録音したものが公開されています。
これがなかったら、たぶんこのパワハラ問題は握りつぶされていたことでしょう。さらに、音声という決定的な証拠があったからこそ、マスコミにも取り上げられたのです。
もし、パワハラを受けていたら、ICレコーダーを購入して、いつでも作動できるように背広のポケットに忍ばせておきましょう。
ユニオンに加盟する
会社に労働組合がない場合、個人が加入できるユニオンに入ることで、サポートを受けることができます。
実際に、ユニオンのバックアップを受けて、不当な雇用を是正したり、パワハラが改善されたりする事例はいくつもあります。
上司の上司に相談する
もし、理解をしてくれそうな上司のその上の上司がいたら、思い切って話を聞いてもらいましょう。
サラリーマンの世界は縦社会です。パワハラを行っている上司のそのまた上の上司に相談してみることで、解決するかもしれません。
その場合、一方的に自分の窮状を訴えても相手は戸惑うばかりでしょう。まずパワハラの事実をいくつか挙げてみて「自分としては、何とか上司の意向に添いたいと努力しているのだけれど、どうしたらいいのか」という相談という形で持っていきましょう。
社外の専門機関に相談する
社内で何とかしようとしても、うまくいかなかったり、逆に上司との関係がぎくしゃくしてしまったりすることは多いものです。
むしろ、社外の相談機関へ相談すれば、いろいろなところからのケースも参考になります。また、法的なアドバイスなども受けられるので八方塞がりの状態を打開することができます。
弁護士に相談する
金銭的な発生はありますが、パワハラによる精神的、肉体的な損傷を受け、現実的に会社を辞めなければならないところまで追い込まれてしまった場合、慰謝料も視野に入れておきたいところです。
弁護士なら法的な視点から的確なアドバイスがもらえます。パワハラをした相手や会社にとってもかなりのプレッシャーを与えることができるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
サラリーマンは、人事異動が当たり前です。相性の悪い上司に当たってしまったら、パワハラでつらい毎日を送らなければならないかもしれません。
我慢の限界を超えてしまうと、精神的にも追い詰められて、うつ病などを発症する可能性もあります。
ここまで当ページでは、実際にあった以下のパワハラの事例をご紹介してきました。もう一度おさらいしてみましょう。
- 事例1「豊田真由子衆院議員のパワハラ」
- 事例2「アッコにおまかせ」でのパワハラ疑惑
- 事例3 「学習塾SCホールディングス専務によるパワハラ」
- 事例4 「日研化学事件」
- 事例5 「誠昇会北本共済病院事件」
さらに、パワハラにあったときに行うべき、以下のようなパワハラ対策に効果的な方法をご紹介してきました。
- できるだけ多くの人に相談する
- 社内の担当窓口に相談する
- それはパワハラだ!と正面切って主張する
- 厚生省のサイトを利用する
- パワハラの事実を記録しておく
- ICレコーダーが効果的
- ユニオンに加盟する
- 上司の上司に相談する
- 社外の専門機関に相談する
- 弁護士に相談する
パワハラ上司の常套句として「お前のためを思って」というのがあります。しかし、それは本当にあなたのための言葉や行為でしょうか。
相手の気持ちは関係ありません。大切なのは、あなたが「これはパワハラだ」と思った時点で成立するということです。
ハラスメントは、周囲にはわかりにくいものです。そのため、証拠集めはとても大切になります。確たる証拠を集めて、相手の逃げ場をなくすことが重要です。